腕時計のガラスの基礎情報

腕時計には、ほとんどの物にガラスがついていますよね。

ひと昔の時計(1970年頃まで)は、腕時計のガラスといえば、プラスティック素材の物が主流でした。今でいうアンティーク時計に多く使われていますね。

当時はガラスの事を風防と呼んでおり、今でも時計に詳しい方はガラスの事を風防と呼んでいたりします。

現在では、ガラスの素材はミネラル、クリスタルやサファイヤガラスが主流となり、プラスティックの素材の時計は味を出したりデザイン重視の時計のみで使用されております。

それでは、現在主流の時計ガラスの特徴について説明をしていきます。

・ミネラルガラス

現行で作られている多くの時計に使用されているのがこちらのガラスです。

ミネラルガラスは加工がしやすいメリットがありますが、傷ついたり欠けやすいというデメリットもあります。

・クリスタルガラス

透明度や屈折率が高く、クリスタルのように輝いて見える事からそう呼ばれています。

ミネラルガラスの素材に酸化鉛や珪砂の素材が加わってできたガラスとなります。

・サファイヤガラス

この名称から、サファイヤでできたガラスと勘違いをされる事が多いですが、そうではなく、人工的に作られたものです。

ただ、宝石のサファイヤと同等の固さがあり、本当に傷がつきにくいガラスです。金属ヤスリなどで削ってみても、そう簡単に傷はつきません。

ただ、その固さがデメリットで、ミネラルガラス等ほかの物と比べて加工がしにくく、平面形状の物が多いです。高級時計に用いられる事が多いガラスです。

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時計をぶつけてガラスにひびが入ってしまった。

落としてガラスが割れてしまった。 そんな相談を度々受けます。

ガラスは時計から水を守る最大の部品ですので、そんな時には必ず交換が必要となります。

そんな時に、どのようにしてガラスを交換しているか説明します。

①まず、裏蓋を外します。

リューズを外して時計の中に入っている機械部分を取り外し、ケースとガラスの状態にします。

②ガラスを外します。

ここから目的のガラス交換の工程になります。

ガラスは基本、外側から取り付ける構造となりますので、内側から指で押してガラスを外します。

簡単に外せない場合、専用の工具で外します。

ガラスを外したら、きれいに破片を取り除き、接着での取り付けの場合は、ついていた接着剤もきれいに除去します。

③ガラスを外してケースをきれいにしたら、いよいよ新しいガラスの取り付けです。

ケースのサイズに合うガラスを用意します。

.1mm単位での大きさの違いでも合わなかったり緩くなるので、しっかり確認します。

丸以外で特殊な形(トノーや長方形)の場合は、ミネラルガラスの板から削って加工をしたりします。

おおまかに2つの取り付け方法があり、1つは圧入方式、2つ目は接着となります。

ガラス縁にパッキンがついている物は、専用の機械を用いて圧入し取り付けます。

接着方式は、ガラスが入る溝に丁寧に専用の接着材を塗り、ガラスを組み込みます。

特殊な形のガラスだと、接着方式が多いですね。

④防水性の確認

ガラスの取り付けが終わったら、ガラス交換により防水性がきちんと保たれているかの確認が必要です。

これに合格しないと、せっかくガラスを変えたのに、内部に水が入ったり、くもりが生じてしまう恐れがございます。

大事な時計のガラスが割れてしまったら、そのままの使用はやめて、すぐに時計店にやメーカーにご相談ください。

当店でももちろん対応いたしますので、ご気軽にご相談ください。

ガラス交換:3000円~